♪♪メンデルスゾーンの 2つの詩篇100♪♪
メンデルスゾーンが”3つのモテット”を作曲したのは亡くなった1847年です。この年の4月にイギリスに演奏旅行に行っており、この時にイングランド国教会向けに英語のテキストでオルガン伴奏付で作曲したと思われます。その後、5月に姉のファニーを亡くし心労が続く中でこの曲をドイツ語に変更し、無伴奏曲として完成させました。その年の11月にオラトリオ「キリスト」など未完成の曲を残したまま亡くなりました。
当初、英語のテキストで作曲されたせいか分からないのですが、3つのモテットの第2曲目(Op.69-2)の詩篇100のドイツ語歌詞と数年前に作曲した詩篇100の曲(作品番号無WoO28)ドイツ語の歌詞と異なっていることに気づきました。
3つのモテットの第2曲(Op/69-2)の詩篇100
Jauchzet dem Herrn, alle Welt!
Dienet dem Herrn mit Freuden, und kommet vor sein Angesicht mit Frohlocken!
Er ist Gott, unser Herr, er hat uns gemacht und nicht wir selbst,
zu seinem Volke und zu Schafen seiner Weide.
O geht zu seinen Toren ein mit Danken, zu seinen Vorhöfen mit Loben und lobet seinen Namen!
Denn der Herr ist freundlich, und seine Gnade und Wahrheit waltet ewig.
詩篇100(WoO28)
Jauchzet dem Herrn, alle Welt!
Dienet dem Herrn mit Freuden, kommt vor sein Angesicht mit Frohlocken!
Erkennet, dass der Herr Gott ist.
Er hat uns gemacht, und nicht wir selbst zu seinem Volk und zu Schafen seiner Weide.
Gehet zu seinen Toren ein mit Danken, zu seinen Vorhöfen mit Loben,
danket ihm, lobet seinen Namen.
Denn der Herr ist freundlich, und seine Gnade währet ewig und seine Wahrheit für und für.
日本語に翻訳して見るといづれもあまり相違がありませんが、WoO28はルターのドイツ語聖書をそのまま使用しているに関わらず、Op.69-2は元が英語でドイツ語に変えたことによる影響か赤と青のように相違がみられます。
♪♪ メンデルスゾーンが書いた「エジプトのイスラエル人」について♪♪
メンデルスゾーンは、ヘンデルの「エジプトのイスラエル人」をドイツのデュッセルドルフで演奏しました。この件について”楽曲の話”の”ヘンデル”の項目で書きました。メンデルスゾーンが書いた「エジプトのイスラエル人」の楽譜が手元にはないので楽器編成や音楽にオーケストレーションをどのような手をいれたかは分かりませんが、発売されているロバート・キングが演奏しているCDの資料からどんな曲を削除し、メンデルスゾーンが加えた曲はどのようになっているかを整理してみました。
”Exoduas"
1.ヘンデルは第2部の最初をレティタティーフから始めましたが、メンデルスゾーンは結構長い序曲を追加
2.第4曲の合唱曲を削除し、バスのアリアの前にレティタティーフを挿入。
3.第5番と6番の合唱曲の間にレティタティーフを挿入
4.第6番と7番の合唱曲の間に2つのレティタティーフを挿入
5.第7番と8番の合唱曲の間に3つのレティタティーフを挿入
6.第8番と9番の合唱曲の間にレティタティーフを挿入
7.第11曲の合唱曲を削除してソプラノのレティタティーフとアリアを挿入
8.第2部の最終曲である第13曲を削除
"Moses' Songs"
9.第17曲のバスのデュエットを削除
10.第19曲のThou sentest forthの部分を削除
11.第19曲と20曲の間にアルトとバスのデュエットを追加
12.第24曲のアルトとテナーのデュエットを削除
対比表をPDFファイルにしました。
黒 変更なし
赤 削除
青 追加
♪♪ 「山に向かいて」について♪♪
2016年の第75回教会音楽連続演奏会でメンデルスゾーン作曲の「山に向かいて」を演奏します。この曲はメンデルスゾーンの2015年私たちが取り組んだ「パウロ」と並ぶオラトリオ「エリヤ」の第28曲3人の天使たちによって歌われる3重唱が原曲です。テキストは詩篇121編1-3節「目を上げて、わたしは山々を仰ぐ。わたしの助けはどこから来るのか。 わたしの助けは来る。天地を造られた主のもとから。 どうか、主があなたを助けて、足がよろめかないようにし、まどろむことなく見守ってくださるように。 」とられています。「エリヤ」の中で抒情的で魅惑的な曲です。私たちが演奏するのは、混声4部に編曲され、日本語に翻訳された歌詞のものです。
★ 今年も12月7日(土)にクリスマスコンサートを開催いたします。演奏会予定をご覧下さい。