♪♪BWV Anh.とは何?♪♪
2016年末のJVC国際協力コンサートで演奏予定のJ.S.バッハのモテット "Ich lasse dich nicht, du segnest mich denn"(われを祝福せずば汝を放さず)BWV Anh.159ですが、BWV番号の後にAnh.と言うアルファベットが続いています。これは「追加」または「補遺」の意味をもつドイツ語のAnhangの略ですが、さらに「偽作」の意味があります。このモテットはJ.S.バッハの楽譜帳にこのモテットの終曲のコラールとして"Warum betrubst du mich, mein Preis" BWV421と共に発見されたため、J.S.バッハの作として扱われたのですが、発見後の研究によりヨハン・クリストフ・バッハが作曲したものであることが判明しました。しかし、J.S.バッハの作曲として親しまれていたことからBWVの後にAnh.を付加して通常のBWV番号の曲とは区別されています。
この曲に関して偽作と言う言葉が付加されていますが非常にいい曲です。
補足:"Ich lasse dich nicht, du segnest mich denn"(われを祝福せずば汝を放さず)BWV Anh.159は近年の研究でワイマールさらに遡ったミュールハウゼン時代(カンタータ106番Gottes Zeit ist die allerbeste Zeit(神の時こそいと良き時)を作曲した頃)のJ.S.バッハ自身の作曲であると言う説が有力になっているそうです。
♪♪讃美歌「まぶねのかたえに」♪♪
讃美歌21に含まれる「まぶねのかたえに」の原曲はG.C.シェメッリとJ.S.バッハが協力してまとめたシェメッリ歌曲集に"Ich Steh' an deiner Krippen hier" BWV469として含まれています。この曲集は、古くから歌い継がれているコラールやアリアをまとめたものでバッハがオルガン伴奏、通奏低音を加えたり必要な場合は作曲を行ったことによりバッハ作品番号が割り付けられています。その中に確実にバッハ自身が作曲したのものは3曲のみであると判明しており、讃美歌21では「まぶねのかたえ」はバッハ作曲となっていま、真偽のほどは分かっていません。
余談ですが、"Ich Steh' an deiner Krippen hier"のドイツ語テキストは「血しおしたたる」"O Haupt voll Blut und Wunden"の作者であるP.ゲルハルトによるものです。このテキストをバッハは私たち合唱団とって身近なバッハのクリスマス・オラトリオの第6部の59番のコラールに使っています。
★ 12月7日(土)今年のクリスマス・コンサートは盛況のうちに終えることが出来ました。
ご来場の皆様、暖かいご声援ありがとうございました。